6月定例議会  一般質問  No.5   2008年6月25日


■ウトロ地域の雇用促進住宅の存続に関して

質問

 (前略)ウトロ地域では平成3年に建設され3月8日より運営が開始され、地域の人達が入居し、現在は約30世帯弱の方が入居されています。
しかし、先の合理化計画の閣議決定を受け、4月よりウトロ雇用促進住宅では新規入居を停止し、6月には入居者の元へ譲渡、廃止に関する通知が「独立行政法人雇用・能力開発機構北海道センター」より届いております。
新規入居者の停止によりこの春から入居を希望していた人は、充分な部屋数の住居を探すことができず困っておりますし、さらにはこの通知を受け取りました入居者は、独立行政法人雇用・能力開発機構の今後の対応に、たいへんな不安感を持っております。
昨今は、ウトロ地域でも民間の賃貸住宅が増えてきております。また、公営住宅も建設されてきましたが、まだまだ住居の不足は解消されてはおりません。特に、観光業従事者、あるいは漁業従事者の若い世代の就労増加の変化の見られるウトロ地域においては十分な住宅供給が出来ていないのが現状です。
地域住民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とする憲法で定められている権利を脅かすような、今回の処置について、斜里町としての対応をお伺いいたします。

1・今回の独立行政法人雇用・能力開発機構のこのような対応について、斜里町は把握さておりましたか?
平成13年の早い時期での閣議決定後、以前に斜里町に対し売却、譲渡の話があったのではないかと聞いておりますが、実際にそのような話はあったのでしょうか?あったとするならば、それはいつ頃の話で、どの部署が対応し、どのような内容だったのでしょう?町長はどのように把握しておいででしょう?

2・ウトロ地域の住宅事情を考慮した上で、今回、雇用促進住宅が廃止されることになった場合の対応はどのように行われるべきとお考えでしょうか?現在入居の方々はどうすれば良いとお考えですか?町長の所見を伺います。



回答 
 昨年9月に購入に関する意向調査があったが、財政状態から購入は難しいと返答している。現状では具体的な話し合いの段階にはない。しかし、ウトロは入居率も高く、他との事情も違うので、町としては存続を求め相手の意向に期待して時間をかけて慎重に対応していきたい。


再質問 
 もうすでに、このようなチラシが配布されているのに、時間をかけて対応するというのはいかがなものでしょう。配布されたチラシには「移転先として公営住宅を希望される場合は、できるだけお早めに、地方公共団体の公営住宅窓口にお問い合わせください」と書かれています。
本当に、この雇用促進住宅を出なければならなくなった場合、たとえば、公営住宅に入居する優先入居など、条例の変更まで行わなければならない訳です。
現在も、公営住宅の入居待ちは続いている上に、優先入居がはたして可能でしょうか?

 民間との価格格差、あるいはスペースの違いなど、このまま廃止されれば、ウトロの住宅状態は混乱することになるでしょう。
どのような方法が最良なのか、斜里町にとっても、ウトロ地域にとっても、また、入居者にとっても一番良い方法を、相手の出方を待つだけでなく、町として対応を取っていくことが斜里町の行政として行わなければならないことと思います。
「相手の意向に期待する」と言いますが、具体的にはどのような意向に期待するのでしょう?その根拠をお聞かせください。


回答 
 ウトロの事情を説明し理解してもらい存続の方針に期待する



    質問主旨

 再質問後の回答は、実際はこのようなチラシが入居者に配布されたことも町は把握していない状態で、町長の答弁は従来の契約継続の条件を繰り返すものでした。もう継続はしないと言っているのにです。
雇用促進の住宅というとらえ方で、町の住宅事情を担っているという対応がないような気がしました。
相手の出方を見たり、待ったりではなく、町としてこの住宅の現状をどのように捉えて、どのような方針で行くのか、明確な対応が必要だと思うのです。
建てたのは町じゃないから、知らない?では、この町に暮らす住民は不安です。
あらゆる状況を想定した、斜里町としての取り組みをこれからも期待し、町として、住民にとっても一番良い方法をとっていくことが必要です。
のんびり、時間をかけて慎重に?と言う段階ではないと思います。



■ ふるさと納税制度の我が町の取組みは


 質問
 先の定例議会において宮内議員も質問されておりましたが、住民税の一部を出身地などの自治体に寄附できる制度。これはご承知のように、地方税法の改正に基づくもので、平成20年5月から始まりました。出身地、あるいは「ふるさと」などに寄附をすると居住地の個人住民税などが軽減される仕組みです。産業振興や自然環境保全、医療・福祉の充実や観光・交流の促進、教育・文化の振興、中には町長にお任せ、など、地方公共団体が条例により指定し、寄附金控除の対象となる取り組みが、各自治体で始まっています。寄附を受ける際は、寄附者に使い道を地域振興策の中から選んでもらい、ふるさと基金として積み立て、翌年度の一般会計に繰入れ、該当する項目の事業に使うこともできる制度です。
そこで、次の2点について町長にお尋ねを致します。

1・斜里町として今回の地方税法の改正に伴うこの「ふるさと納税」について、どのように認識されていらっしゃいますか?

2・その認識に立って、この「ふるさと納税」の取り組みを、今後どのように取り組まれようとしていらっしゃいますか?具体的な方法など、あるいは条例などについても考えられておられるのかどうかについて伺います。


回答 
 寄付金制度の導入については新たな課題への導入、地方の抱える行政課題に対応した導入などを想定してきた。そこで、貴重なふるさとである知床の環境を維持していくために「しれとこ100平方メートル運動の森トラスト」を斜里町の「ふるさと納税」として活用したいと考えている。


 再質問 
 この制度を、他の自治体が行っているのだから我が町も!と言うことで私は今回の質問をしているわけではありません。今回のように地方税法の改正を受けて「あ?変わったか、家の町の条例も関連するところを変えなきゃならない」と言うことが町行政の仕事ではないわけです。この変更を受け、町にとっての税収増収が今以上にプラスになる取り組みはできないだろうか?あるいは、あまり効果はないだろうか?そう言った検討、検証を行い、この町の発展につながる事業を組み立てて行くことが行政の仕事と思います。町長は第2の夕張にはしない!と言う公約を掲げ、この町のこれまでの体制に危機感を持ち選挙に臨んだのだと私は理解しておりますし、多くの町民はそれを期待しているのだと思います。その方法が、ただ給与削減や経費削減という消極的な対応の財政再建だけではないはずです。この町を活性化するために、増収を図るために様々なチャンスに対応することが、まさに必要とされているときだと私は思います。今回の地方税法の改正に限らず、他の自治体に追随したり、他の自治体の取り組みを評論することなどは、参考にはなるでしょうが、それは行政の本当の仕事ではありません。一番必要なのは「斜里町ではどうできるか?どのように事業を組み立てられるだろうか?」と言う取り組みの姿勢です。「行政課題に対応した導入などを想定してきた」とのことですが具体的にどのような事例について検討されたのか伺います。


回答 
 いろいろな行政課題はありますが、斜里町は自然を想定しなければいけない、改めて力を入れたい。


   質問主旨

 確かに斜里町はナショナルトラストの先駆けであり環境保全にいち早く力を入れてきた自治体ですが、今回の「ふるさと納税」制度を、この事業だけに考えるのは、その方法と制度上からも満足できるものではありません。
「知床ブランド」の確立を目指す町長であれば、これらの展開とも関連づけた取り組みや、さらに一歩前進した「斜里町の応援団」を増やすような取り組みを行うことが必要なのでは?と思います。
「ふるさと斜里会」への積極的な働きかけなどはどうなっているのでしょうか?
また、「知床100平方メートル運動の森トラスト」を今後、どのようにして、この制度に組み込んでいくのかその方法と取り組みについても注目したいと思いますし、その成果を確認して行きたいと思います。

 


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